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赤ちゃんにおやつを与えるときの注意点

【医師監修】生後11か月とは?赤ちゃんの成長・発達・睡眠時間・授乳と生活リズム

この記事の監修医

木村 眞樹子 先生

資格・経歴

内科専門医 循環器専門医 睡眠専門医 産業医

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 産業医として企業の健康経営にもかかわる。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

生後11か月の赤ちゃんは、どんどん活発になり、興味のあるものごとにまっしぐらに向かっていきます。ハイハイのスピードも日に日に速くなり、ママを追っていつの間にか足元に来ていて少しびっくり、なんてこともあり微笑ましいですよね。1歳を目前に控えて、身体、行動、言葉とさまざまな面で大きく成長してきた赤ちゃん。 ママが安心して赤ちゃんとの生活を楽しむために、生後11か月の赤ちゃんの成長の様子や生活についてまとめました。

生後11か月の赤ちゃんの成長と発達

生まれた頃と比べると、体重も3倍ほどになっていることもある生後11か月の赤ちゃん。大きい子だと10kgを超えることもあり、長い時間抱っこをするのもちょっと大変になってきますね。赤ちゃんの身体の成長と発達について、具体的に解説していきます。

【生後11か月】赤ちゃんの体重・身体の成長

厚生労働省が平成22年に行った乳幼児身体発育調査によると、生後11か月の赤ちゃんの身長、体重の平均値は以下の通りとの結果が報告されています。

男の子
身長 69.4~78.5㎝
体重 7.51~10.82㎏

女の子
身長 67.4~76.7㎝
体重 7.02~10.27㎏

母子手帳にある成長曲線グラフに、月齢ごとにその時の赤ちゃんの身長、体重をマークして成長具合をチェックしてみるといいでしょう。あくまでも平均のめやすなので、多少外れているからといって過度な心配をする必要はありませんが、下限、上限のラインから大きくそれていて気になる場合は健診や予防接種の際に医師に相談してみましょう。

【生後11か月】赤ちゃんの発達

つたい歩き

生後11か月になると、多くの赤ちゃんがつかまり立ちができるようになっています。
そして、その状態から、手で支えているものをつたいながら、足を一歩二歩と動かし始めます。はじめは少し慎重になりながら、足の裏を床にペタペタと踏みしめる感覚をおぼえていきます。
この「つたい歩き」で移動できる楽しさを知ったら、赤ちゃんはますます探検するようになっていきます。
ソファや棚など高さのあるものを支えにして、時にはハイハイも組み合わせながらあちらこちらへ。手が届く場所も増えるので、好奇心旺盛な赤ちゃんは色々なものを触って確かめたくなるでしょう。改めて、赤ちゃんの手の届く範囲を見直す必要があります。
また、赤ちゃんによっては数秒間支えのない状態で立つことができるかもしれません。
成長のスピードが早い子は、一歳を前にして自分で歩き始める場合もあります。しかし、歩き始める時期については個人差も大きいので、慌てる必要はありません。ハイハイをする時期が十分あることも赤ちゃんにとっていいことですし、自発的に「やりたい」という意欲を持ち始める時期を見守ってあげることも大切です。

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離乳食

歯茎でつぶせる程度のかたさの「カミカミ期」の離乳食を続けながら、量、種類は少しずつ増やしてみましょう。
スティック状にしたものや、軟飯でつくったコロコロとした小さいおにぎりなどを用意して、赤ちゃんが手づかみで食べられるものを増やしてみてもよいでしょう。
ミニトマトやぶどうといった丸い形のものは、赤ちゃんののどにつまってしまう恐れがあるので、必ずカットしてから出すようにします。
食事と食事の間の時間に、空腹を感じている様子があれば、おやつをあげてもいいでしょう。その場合は、いちごやバナナなどのフルーツ、ゆでたさつまいも、月齢にあった柔らかいおせんべいなどを、次の食事に影響が出ない程度の量と時間であげましょう。
食べることに積極的になり、自分から食べ物に手を伸ばすことが増えたら、スプーンにも挑戦してみてもいいかもしれません。はじめは食べ物をすくうことも、自分の口に入れることも上手にはできない場合も多いですが、大人が少しサポートしながら、自分で食べられることへの自信につなげてあげましょう。
同様に、お茶などをコップで飲む練習も取り入れてみてもよいでしょう。最初のうちはこぼしてしまうことも多いので、少ない量を注いで様子を見つつ、まだ少し早いと感じるようなら無理強いさせないことも大切です。

【生後11か月】赤ちゃんの授乳間隔は?

この時期の赤ちゃんは、1日3回ある離乳食から多くの栄養を摂れるようになってきています。
授乳による栄養は次第に補助的なものになっていきます。ただし、赤ちゃんによってはあまり離乳食をたくさん食べなかったり、好き嫌いがでてきて食べるものが偏ったりすることで、食事による栄養摂取が十分でないこともあります。また、ママの母乳が何よりの精神安定につながっている赤ちゃん、自分なりの考え方で時間通りに母乳をあげると決めているママなど、母子の状態によって母乳をあげる時間や間隔はそれぞれです。
ミルクの場合も、健診の結果なども踏まえつつ、赤ちゃんの身体の発達や機嫌の良し悪し、うんちの状態などを観察しながら調節しましょう。

【生後11か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

3回の食事やたくさん体を動かす時間、「これは何?」と頭を使う時間も増えて生活のメリハリもできてくる生後11か月の赤ちゃん。1日合計11~13時間程度が睡眠時間となっているでしょう。お昼寝は1回になっていることも多く、30分~2時間程度です。
色々な体験や刺激を受けて脳も体も疲れきったら、夜になれば自然と眠くなっている日も増えてくるでしょう。
一方で、たくさんの活動をできるようになった分、赤ちゃんが受ける刺激も強くなり、その影響で夜に目が覚めたり夜泣きをしたりすることもあります。
これも成長の過程の一つであり、自然なことでもあります。
しかし、あまりに激しい夜泣きが続く場合は日中の過ごし方や生活リズムを見直してみてもよいでしょう。
赤ちゃんが眠りにつきやすく、家族にとって無理のないルーティンを基本として続けていくことで、毎日の睡眠の安定につながります。

【生後11か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

生後11か月の赤ちゃんとの生活リズム・スケジュール

【生後11か月】赤ちゃんとママの過ごし方は?

生後11か月の赤ちゃんとママが過ごす1日のスケジュールの一例を参考までに記しています。
7:00 起床・授乳
8:00 遊び
音楽を流して、ダンスや体操をしてみるのも楽しいです
9:00 お散歩・日光浴
公園で他の赤ちゃんと交流してもよいでしょう
10:00 離乳食
11:00 授乳
12:00 睡眠
13:00 睡眠
早めに目が覚めたら、目を合わせて声をかけてあげると喜びます
14:00 離乳食
15:00 授乳
16:00 遊び
お腹がすいていれば、小腹を満たす程度のおやつをあげてもよいでしょう
17:00 お風呂
18:00 離乳食
もし家族がそろうなら、一緒に食卓を囲んで楽しみましょう
19:00 授乳
20:00 ねかしつけ
なるべく毎晩同じルーティンで寝かしつけてみましょう

赤ちゃんは外の世界や他の人にも興味津々です。公園に連れていくなら、まだ小学生などが学校から帰ってくる前の午前中からお昼ごろまでが赤ちゃんにとっては安心して遊びやすい時間帯です。動きやすく汚れてもいい服装で、ママと一緒に滑り台をすべったり、お砂場で砂の感触を楽しんだりしてみましょう。
近所の同じくらいの赤ちゃんが遊びに来ていれば、ママも赤ちゃんも友達になれるかもしれません。ただ、他の赤ちゃんに興味はあっても人見知りが強くかえってママにしがみついて遊びたがらないこともあります。焦らず、無理せず、赤ちゃんのペースを見守りながら楽しみましょう。

【生後11か月】赤ちゃんとの生活の注意点

赤ちゃんの離乳食が進んでくると、「何をあげるか」ということが気になってくるママも多いでしょう。
  • ・たくさんの種類をまんべんなく取り入れた栄養バランスが整った食事内容
  • ・無添加やオーガニックの食材
  • ・3回の食事からおやつ、全て手作りのできたての状態で
など、赤ちゃんの体を思って理想だけをあげればキリがありませんよね。
中には、料理をすることが大好きで、離乳食づくりが趣味や毎日の楽しみになっているママもいるかもしれません。また、もともと大人が口にするものにも強いこだわりを持っており、日ごろから気をつけているご家庭もあるでしょう。
そのような場合は別ですが、大人の食事と違って月齢によって作り方が変化する離乳食づくりに慣れなかったり、他の家族の分の食事も用意するとなると、一日の多くの時間をキッチンで過ごすことになり他のことができなくなってしまったりと、毎回の離乳食づくりが負担になってしまうケースも当然あるでしょう。それに、頑張って作った食事ほど、赤ちゃんが食べてくれなかった時に残念に感じる気持ちが強くなってしまうこともありますよね。
アレルギーのある食材や窒息の危険を除くことは必要ですが、全ての食事を理想通りに、完璧にしようとせずに、市販のものや作りやすいものを上手に活用しましょう。

  • ・離乳食を作るときは一度に大量に作って冷凍しておく
  • ・大人の食事を作る際に、味付け前に取り分けて赤ちゃん用にする
  • ・ベビーフードやフリーズドライ製品の原材料をチェックし、納得できるものは活用してみる

離乳食のハードルを下げて負担を減らすことで、赤ちゃんもママも「食べることを楽しむ」方に意識が向けられるはずです。これから赤ちゃんが乳児から幼児になり、もっと大きくなっても、食事は毎日共にすることがしばらく続きます。力を入れ過ぎるよりも、家族で楽しく食卓を囲める日々をイメージしながら、ちょうどいい方法を探してみましょう。

産後11か月のママが気を付けるべきこと

産後11か月になると、場合によっては育児休業期間の終わりが近づき、職場への復帰の準備で忙しくなるママもいることでしょう。これまで赤ちゃんとの生活をゆったりと楽しんでこられたなら、急激に日常が変化する可能性があり、不安や緊張を抱いているかもしれません。 責任感が強く、何事にも一生懸命なママほど、
  • ・保育園に入園する赤ちゃんと、スムーズに分離できるか
  • ・家のことはうまく回していけるか
  • ・職場に迷惑をかけることは避けられるか
といった課題に対して、一人で解決策を考えようとしがちです。
しかし、どんなに器用なママだとしても、一人の力でどうにかしようとしていると、必ず無理が出てしまいます。保育園で赤ちゃんが最初は泣いていても、いつかは園に慣れる時がくると考えたり、職場にはできることとできないことを予め伝えておいたりと、無理をしないための考え方や仕組みづくりをしておくことが大切です。
家事や赤ちゃんの送迎については、ママとパパ、もし他にも頼れる人がいるならチームとしてやっていきましょう。得意不得意なことやそれぞれの融通の利く時間をよく話し合っておきます。それでも難しい場合は、便利な家電の購入や、時には家事のアウトソーシングも検討してみましょう。生活を続けていくには、まずは家族の心身の健康が第一です。ママが抱え込むことのないよう、周囲に状況を伝えながら連携して過ごしていきましょう。

産後11か月のママが気を付けるべきこと

まとめ

生後11か月の赤ちゃんは、1歳まであと少しですね。人が年を重ねていく中で、一番大きく成長し発達するのは、生まれてからの一年間です。この貴重な時期を一緒に過ごして、楽しいことも大変なこともたくさんあったことでしょう。もし、これから少しずつわが子と一緒に過ごす時間が少なくなっていくことがあっても、ママと子の絆はずっと強いものです。これからも続いていく子育てに正解はなく、困ることや悩むことも出てくるかもしれませんが、そんな時には「0歳」の時の姿を思い出してみてください。どんどん成長を続けるわが子の姿にきっと多くの喜びや感動をもらえるはずです。

著者:川原 恵

保育士、幼稚園教諭2種免許
フラワーアレンジメントディプロマ取得

同志社大学卒業後、某大学附属校で7年間勤務。
幼稚園教諭として勤務経験(担任経験)あり。
フルタイム勤務をしながら通信制大学において資格を取得。
子どもと一緒に楽しむことが好きな、三児の母。育児中の経験を活かしフリーライターとして活動しています。