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【医師監修】生後6か月とは?赤ちゃんの成長・発達・睡眠時間・授乳と生活リズム

この記事の監修医

木村 眞樹子 先生

資格・経歴

内科専門医 循環器専門医 睡眠専門医 産業医

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 産業医として企業の健康経営にもかかわる。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

生後6か月になると、赤ちゃんは全身の筋肉がしっかりし始め、寝返りが上手になったり手足を思うように動かしたりできるようになってきます。

自分の意思で行動しようとする姿が見られると、赤ちゃんなりの成長を感じられて嬉しいですよね。

生後半年の節目に、ハーフバースデーのお祝いをするご家族も増えていますね。

元気に育つ喜びの一方、

・急に動きが活発になってきたことへの対応
・慣れない離乳食

など、ママにとっては「どうすればいい?」と疑問に感じることも多くなるかもしれません。

ママが安心して赤ちゃんとの生活を楽しむために、生後6か月の赤ちゃんの成長の様子や生活についてまとめました。

生後6か月の赤ちゃんの成長と発達

身体の様々な機能が発達して、今までできなかったことがどんどんできるようになる生後6か月の赤ちゃん。

赤ちゃんの身体の成長と発達について、具体的に解説していきます。

【生後6か月】赤ちゃんの体重・身体の成長

厚生労働省が平成22年に行った乳幼児身体発育調査によると、生後6か月の赤ちゃんの身長、体重の平均値は以下の通りとの結果が報告されています。

男の子
身長 63.6~72.1㎝
体重 6.44~9.57㎏

女の子
身長 61.7~70.4㎝
体重 6.06~9.05㎏

母子手帳にある成長曲線グラフに、月齢ごとにその時の赤ちゃんの身長、体重をマークして成長具合をチェックしてみるといいでしょう。

あくまでも平均のめやすなので、多少外れているからといって過度な心配をする必要はありませんが、下限、上限のラインから大きくそれていて気になる場合は

・健診
・予防接種

の際に医師に相談してみましょう。

【生後6か月】赤ちゃんの発達

寝返りが上手に

生後6か月になると、ほとんどの赤ちゃんが寝返りできるようになります。

できるようになり始めた頃は、思いがけず成功して赤ちゃん自身もびっくり、なんてこともあるでしょう。

上手になってくると、仰向けからうつ伏せ、うつ伏せから仰向けへと体勢を変える「寝返りがえり」もできるようになり、自分でコロンと転がって満足そうにする姿も見られます。


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おすわりまであと少し

首がしっかり座り、腰にも力が入りやすくなってきたことで、

・自分の両手を前についてのおすわり
・支えてもらってのおすわり

ができるようになってきます。

まだ不安定な時期なので、長時間おすわりの体勢でいると急に前後に転倒してしまう可能性もあります。

ひとりでおすわりの練習をしている時には、

・周囲に危険なものがないか
・座っている場所はクッション性があるか

など安全性を確認しておきましょう。

目、耳、脳の発達

脳が発達し、五感が統合してくることで、様々な認知機能が高まります。

・赤ちゃんが自分の名前を呼ばれていることに気づいて声がする方を見る
・「いないいないばあ」遊びで喜ぶ
・絵本に興味を示すようになる

など、周りの人の働きかけに対して反応し、様々なことを吸収していきます。

離乳食

離乳食初期は「ゴックン期」とよばれ、まずは「食べる」という行為に慣れる時期です。

赤ちゃんの消化に負担が少ない「10倍がゆ」を少量から始め、様子を見ながら徐々に増やしていきます。

次ににんじんやほうれん草などのアレルギーが起こりにくい野菜を細かくすりつぶしてトロトロに柔らかくしたものをまた少量から、そして魚や豆腐、というように順番にゆっくりと試します。

初めての食材は一日一種類までにし、スプーン一杯程度から始めて赤ちゃんに問題がないかを確認してから量を増やすようにしましょう。

一回食のうちは、食べる時間は午前中にしましょう。

・午後の間に消化ができる
・万が一アレルギー反応が起こってもすぐに小児科に連絡できる

ためです。

赤ちゃんにとってまだ慣れない離乳食の後には、授乳をして安心させてあげましょう。


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【生後6か月】赤ちゃんの授乳間隔は?

生後6か月の赤ちゃんは、だいたい3~5時間おきに、1日5~6回の授乳間隔になるのが目安です。

1回につき220~240ml程度の量を飲めるようになります。

離乳食の量もまだ少ない時期なので、母乳は欲しがるようならその分与えてあげましょう。

一度にたくさんの量を飲めるようになってきているので、お腹にたまりやすいミルクの場合は4時間ほど間隔をあけてもいいでしょう。

【生後6か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

日々の過ごし方も安定してきて、生活リズムができ始めた生後6か月の赤ちゃん。

お昼寝1~2回を合わせて、1日合計13~15時間程度が睡眠時間となっているでしょう。

夜に長く寝られるようになってくるので、9時間ほどまとめて眠る赤ちゃんもいます。

とはいえ、

・おっぱいを欲しがって目が覚める
・夜泣きをする

こともまだある時期です。

赤ちゃんの体調が悪い時でなければ、夜にまとめて長く寝ないことを過度に心配する必要はありません。

赤ちゃんの睡眠時間

生後6か月の赤ちゃんとの生活リズム・スケジュール

【生後6か月】赤ちゃんとママの過ごし方は?

生後6か月の赤ちゃんとママが過ごす1日のスケジュールの一例を参考までに記しています。


7:00 起床・授乳
8:00 遊び
日光の入る明るい部屋で、たくさん声をかけてあげましょう
9:00 睡眠
眠くならなければ、活動的に過ごしてみましょう
10:00 お散歩・日光浴
11:00 離乳食・授乳
12:00 睡眠
13:00 睡眠
早めに目が覚めたら、目を合わせて声をかけてあげると喜びます
14:00 遊び
15:00 授乳
16:00 遊び
絵本を読んだり、歌を歌ったりしてあげるのも喜びます
17:00 遊び
ご機嫌が悪いこともありますが、おもちゃなどで安心させてあげましょう
18:00 お風呂
スキンシップもたっぷりと
19:00 授乳・ねかしつけ
23:00 授乳
3:00 授乳

寝かしつけた後、必要であれば1~2回授乳をしてもよいでしょう。

・朝目覚めたときに、たくさん名前を呼んで声かけしてあげる
・お出かけの予定がなくてもお着替えをする

などすると、一日をより活動的にスタートできるかもしれません。

午前中にうとうとすることなく元気いっぱいなら、ご機嫌がいいうちにお散歩や身体を使う遊びをするのもいいでしょう。

夕方は、

・絵本
・歌
・ふれあい遊び

などで、赤ちゃんの脳と身体をリラックスさせてあげましょう。

その日ごとに、活動量や受けた刺激の大小、お昼寝時間の長い短いといったことで夜の寝つきに影響することがありますが、それも成長過程の一つです。

日々の様子を見ながらバランスをつかんでいければ十分です。


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【生後6か月】赤ちゃんとの生活の注意点

赤ちゃんがママからもらった抗体という免疫は、生後6か月ごろになると効力が弱まってきます。

かわりに少しずつ自己免疫ができてきますが、まだ弱いため、

・発熱
・下痢

などの体調不良が起こりやすくなる時期です。

うんちの回数や量、色は毎回気をつけてよく観察しておきましょう。

熱もなく元気で下痢が続く場合は、離乳食の種類や量を見直し、一段階前に戻るなどしてペースをゆっくりにしてみましょう。

発熱がある場合や赤ちゃんの様子がいつもと違う時は、感染症の疑いや他の原因も考えられるので、小児科の受診が必要なこともあります。

日ごろからの様子をよくチェックし、異常に気付けるよう注意しておきましょう。

自治体によっては、すぐに受診するかの判断が難しい場合に電話相談できる窓口が設けてあることがあります。

母子手帳などに記載があるか、前もって確認しておくと安心です。


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赤ちゃんとの生活の注意点

産後6か月のママが気を付けるべきこと

ママの身体の状態

産後6か月になると、ママの身体は妊娠前の状態に近づいてきます。

産後の体型を元に戻したいと考えるママは、この時期がちょっとしたがんばりどきです。

ただし、無理はせずに

・掃除機をかけながら
・歯磨きをしながら

など日常生活の中に「ながらエクササイズ」を少しずつ取り入れてみるくらいでも効果があります。

毎日のルーティンの中に組み込むことで、自然と体を動かす習慣ができ、筋力アップにつながります。

おすすめの過ごし方

赤ちゃんが生後6か月になり、離乳食が始まったり、外出の機会が増えたりすると、ママは色々な情報を収集したくなりますよね。

また、その時々で出てくる育児のお悩みについての対処法や共感を求めて、SNSを活用するママも多いと思います。

SNSは多くの人が利用するので、

・自分と同じことで悩むママに共感してほっとする
・目から鱗の対処法を見つけて真似をしたらうまくいくようになった

など孤独を感じてしまうこともある育児中のママにとっては、とても便利なツールです。

しかし、多くの人が発信できるだけに、その情報や言葉もさまざまです。

●色とりどりの離乳食がきれいな器に盛りつけられた写真と、「今日も完食してくれた」の言葉
●オシャレをしてカフェでランチをするママと、その隣にベビーカーで大人しく眠る赤ちゃん
●「よく寝てよく笑って、本当に手がかからないいい子」の投稿につくたくさんの「いいね」

SNSにはこんな場面がたくさん並び、「羨ましいな」「憧れるな」と思うこともある一方で、

こんなに素敵な離乳食を用意できないし、きっとこんなに食べてもくれない

きれいにしてお出かけしているママもいるのに、私はボサボサの髪にくたびれた部屋着で、赤ちゃんを抱っこしながらおにぎりを食べている

長く寝てくれないし、よく泣くし、うちの子はすごく手がかかる…

などと、画面の向こうのキラキラした世界と自分の現状を比べて少し気持ちがざわざわしてしまうこともあるかもしれません。

そんな気持ちになってしまいそうだったら、一度SNSの画面をそっと閉じ、同じスマホの中でも自分で撮った写真のデータを見返してみるのはどうでしょうか。

きっと、わが子が生まれてきてくれてから、たくさんの姿をおさめているはずです。

・まだ今よりずっと小さかったころの写真
・運よく撮れた決定的な瞬間
・初めて一緒に見た景色

赤ちゃんを抱っこして映っている自分は、オシャレはしていなくても、とってもいい表情をしているかもしれません。

そこには、自分にとって何よりもキラキラしたものがあると思い出すことができるでしょう。

SNSは楽しく役に立つツールなので、疲れてしまわない程度に、適度に上手にお付き合いできるといいですね。

産後6か月のママが気を付けるべきこと

まとめ

生後6か月になり、お座りの姿勢をおぼえ始めると、赤ちゃんの目に映る世界がそれまでと変化していきます。

受け身でいることも多かったねんね期以上に、

・色々なことが気になって仕方なくなる
・たくさんの影響を受ける

ことも多くなるでしょう。

その分、ママの思った通りのスケジュールで動けないことや、準備していたことがうまくできずに終わることもあるかもしれません。

そんな時は、ちょっとだけ残念な気持ちになってしまいますが、別の視点や方法に気付ける機会になることもあります。

ぜひ赤ちゃんと一緒に新しい世界をたくさん発見してみましょう。