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【医師監修】生後7か月とは?赤ちゃんの成長・発達・睡眠時間・授乳と生活リズム

この記事の監修医

木村 眞樹子 先生

資格・経歴

内科専門医 循環器専門医 睡眠専門医 産業医

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 産業医として企業の健康経営にもかかわる。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

生後7か月になると、赤ちゃんはどんどん好奇心旺盛になり、動きたい気持ちでいっぱいの様子が見られるようになります。

赤ちゃんが着る服も、動きやすさを重視して上下分かれたものになってくると、低月齢の頃に比べてなんだか急にお兄ちゃん、お姉ちゃんっぽく見えることもありますよね。

また、コミュニケーションの幅も広がってきて、さまざまな表情や身振り手振りで意思を伝えようとしてくれる姿が可愛らしい一方、互いの思いが通じず赤ちゃんもママも困ってしまう場面もあるかもしれません。

ママが安心して赤ちゃんとの生活を楽しむために、生後7か月の赤ちゃんの成長の様子や生活についてまとめました。

生後7か月の赤ちゃんの成長と発達

生後7か月の赤ちゃんは、身体だけでなく情緒や社会性といった面も発達してきます。

赤ちゃんの身体の成長と発達について、具体的に解説していきます。

【生後7か月】赤ちゃんの体重・身体の成長

厚生労働省が平成22年に行った乳幼児身体発育調査によると、生後7か月の赤ちゃんの身長、体重の平均値は以下の通りとの結果が報告されています。

男の子
身長 65.0~73.6㎝
体重 6.73~9.87㎏

女の子
身長 63.1~71.9㎝
体重 6.32~9.37㎏

母子手帳にある成長曲線グラフに、月齢ごとにその時の赤ちゃんの身長、体重をマークして成長具合をチェックしてみるといいでしょう。

あくまでも平均のめやすなので、多少外れているからといって過度な心配をする必要はありませんが、下限、上限のラインから大きくそれていて気になる場合は

・健診
・予防接種

の際に医師に相談してみましょう。

【生後7か月】赤ちゃんの発達

手を上手に使えるように

生後7か月の赤ちゃんは、おもちゃを右手から左手に持ち替えたり、落ちたものを拾ったりと、少しずつ手先を器用に使えるようになってきます。

・音が出ることが面白くて何かをバンバンとたたく
・ティッシュなどを次々引っぱり出す
・わざとおもちゃを落とす

など興味の赴くままに色々なことをやってみます。

次々と繰り出される赤ちゃんのいたずらは成長のしるしとして微笑ましいものの、困ってしまう時も少しありますよね。

また、

・思い通りにできなかったときには癇癪を起こす
・落としたおもちゃをママに拾ってもらうのが面白くて何度も何度も繰り返す

など赤ちゃんの相手をするには根気がいるかもしれません。

この時期は

・しかけのある絵本
・ボタンを押すと音が鳴るおもちゃ

など、手先を使うことを楽しめるものを用意してあげるとよいでしょう。

しかし、意外と用意したおもちゃ以上に身の回りの生活用品に興味を示すことも「育児あるある」です。

・空になった箱や袋
・びりびりにされてもいいチラシ
・ママが普段使っているハンカチ

といった身近なものを、安全か確認の上渡してみると喜ぶことも多いです。

思わぬものが危険と隣り合わせなので、必ず様子は見守りましょう。
・コンセント
・ひも
・飲み込む可能性のある大きさのもの
・硬くて角の鋭いもの
などは、赤ちゃんの手の届くところに置かないようにしましょう。

人見知り

生後7か月になると、「人見知り」を始める赤ちゃんも多いです。

これまでは、ママ以外の人に抱っこされてもニコニコしていた赤ちゃんが、この頃からは

・泣く
・表情がこわばる

など嫌がる様子が見られるようになります。

これは、脳で記憶する力がついてきたことにより、よく顔を合わせる人とそうでない人の違いを認識できるようになった成長の現れです。

特に一緒にいる時間が長いママには愛着と安心を感じているため、ママの腕に戻ってくると泣き止んだり、しがみついたりすることがあります。

ママにとっては、赤ちゃんとの絆が感じられて嬉しくもありますが、他の人に預ける場合や離れなくてはいけない場面であまりに大泣きされると、困ってしまうこともありますよね。

こういった状況も、赤ちゃんが社会性を学んでいく過程であり、この繰り返しによって赤ちゃんの世界が広がっていくことにつながります。

すぐに適応する子もいれば、しばらく人見知りが続く子もいます。

程度や期間は赤ちゃんによってさまざまです。

また、人だけでなく、初めての場所に行ったとき「場所見知り」をすることもあります。

この場合も赤ちゃんは安心感を求めて

・ママから離れようとしない
・不安から大泣きする

などします。

赤ちゃんが大泣きするのはママとしてもつらく感じてしまうかもしれませんが、成長の過程として慌てずに対応してあげると赤ちゃんも不安な気持ちがやわらぐことがあります。


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赤ちゃんの人見知り!しないと心配?いつからいつまで?ひとみしり克服法

離乳食

赤ちゃんがスプーンにも慣れ、食事をとるという習慣がついてきたら「ゴックン期」といわれる離乳食初期から、「モグモグ期」と呼ばれる離乳食中期に移行してきます。

あごや口、舌が発達してくるので、赤ちゃんが舌でつぶせるくらいの固さのものをあげます。

おかゆはスープ状の飲み込むだけに近かったものから、少しずつお米のつぶつぶが見えるくらいのかたさにしていきます。

・パンがゆ
・お豆腐にとろみをつけたもの
・柔らかくつぶしたもの

など、食感が出るものにも徐々に挑戦してみましょう。

赤ちゃんがしっかり飲み込めているか、様子を見ながら進めます。

離乳食が進むにつれて赤ちゃんのうんちも硬くなりがちです。

便秘や下痢などの異常がないかもあわせて確認しましょう。

また、この頃に赤ちゃんが離乳食に慣れてきたら1回食から2回食に増やしてもよいでしょう。

2回目は1回目から4時間程度間隔をあけ、1回目よりは少なめの量から始めてみます。

スムーズに食べられるようになってきたら同じくらいの量をあげ、もし体調がよくない日があれば1回にするなど、赤ちゃんの様子に合わせて進めましょう。


【 関連記事 】
離乳食中期(生後7か月~8か月)モグモグ期のポイント!量・進め方・食材

【生後7か月】赤ちゃんの授乳間隔は?

離乳食が1日2回になっても、生後7か月の赤ちゃんにとってはまだ主な栄養の摂取は母乳やミルクからになります。

母乳はこれまでと同じように赤ちゃんが欲しがった時にあげましょう。

ミルクの場合、離乳食後は赤ちゃんが空腹でない場合もあるので、あげる量を調節しましょう。

離乳食の前に授乳をすると、赤ちゃんの食欲が減り離乳食をあまり食べなくなってしまうので、外出などのイレギュラーな場合でなければ、基本的に授乳は食後というリズムをつくっておきましょう。

【生後7か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

自分で体を動かしたり、離乳食をとるようになったことで、生活リズムがより安定してくる生後7か月の赤ちゃん。

お昼寝1~2回を合わせて、1日合計12~14時間程度が睡眠時間となっているでしょう。

日中の動きが活発になってきたことで夜にぐっすり眠る赤ちゃんもいます。

一方で刺激が増えたことで夜泣きが多くなる場合もあります。

また、情緒の発達により、寝ているときに目が覚めてママが近くにいないことに気づくと「寝ぐずり」を起こすこともあります。

ママが睡眠不足になりそうなら、生活リズムを整えることに固執するよりもママの体が疲弊しないことを優先して、お昼寝の時間を確保できるスケジュールに変えるなど工夫しましょう。

【生後7か月】赤ちゃんの睡眠時間

生後7か月の赤ちゃんとの生活リズム・スケジュール

【生後7か月】赤ちゃんとママの過ごし方は?

生後7か月の赤ちゃんとママが過ごす1日のスケジュールの一例を参考までに記しています。


7:00 起床・授乳
8:00 遊び
日光の入る明るい部屋で、身体を動かす遊びをしてみましょう
9:00 お散歩・日光浴
10:00 離乳食
11:00 授乳
12:00 睡眠
13:00 睡眠
早めに目が覚めたら、目を合わせて声をかけてあげると喜びます
14:00 離乳食
1回目よりは少ない量からスタートしましょう
15:00 授乳
16:00 遊び
手先を使うおもちゃで遊ぶと喜びます
17:00 遊び
18:00 お風呂
スキンシップもたっぷりと
19:00 授乳・ねかしつけ

その後、欲しがるようなら夜中に授乳してもよいでしょう。

離乳食が2回の場合は食事の間隔をあけますが、時間帯については

・朝とお昼
・午前と午後

など赤ちゃんのご機嫌やママの都合に合わせて、その家庭にあった無理のないスケジュールを組みましょう。


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【生後7か月】赤ちゃんとの生活の注意点

離乳食の量や回数、種類が増えると心配になるのがアレルギーです。

ママやパパ、きょうだいにアレルギーを持つ人がいる場合は、赤ちゃんもその傾向を持つケースもあります。

その場合は特に食材に気を使いますが、家族に発症している人がいなくても赤ちゃんがなんらかのアレルギーを持っていることは十分あり得ることです。

特に初めて与える食材はスプーン一杯程度で数日様子を見ながらあげましょう。

アレルギー源の特定が難しくならないように、

・初めての食材は1日のうちに1種類までにする
・アレルギー反応がでてもすぐに病院を受診しやすいようにできるだけ朝や昼の時間帯にあげる

ようにします。

特定の食材を食べたことによって

・湿疹
・かぶれ
・下痢

といった異常が見られるようなら与えることを中止しましょう。

・苦しそうにしている
・ぐったりしている

など状況によってはすぐに受診した方がいい場合もあるので、飲み込むまでの様子や食後の状態はよく観察しておきましょう。

また、アレルギーの有無にかかわらず、ボツリヌス症を引き起こすリスクの高いハチミツは1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません。


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【小児科医師執筆】赤ちゃん・乳児の食物アレルギー(ミルク・離乳食)|よくある症状と注意点

【生後7か月】赤ちゃんとの生活の注意点

産後7か月のママが気を付けるべきこと

産後7か月ごろになると、生理が再開するママもいます。

時期については

・あげている母乳の量に影響される
・ママの体質、体調による

など個人差が大きいです。

妊娠期間を含めるとしばらくの間なかったものなので、突然生理が始まったことで慌ててしまうことがあるかもしれません。

ナプキンを少しでもカバンに常備しておくなどして、急な再開にも対応できるようにしておくと安心です。

また、排卵の周期などによっては産後に生理を迎えずに次の妊娠をしていた、というケースもあります。

次の妊娠までの期間などについて家族の計画がある場合には、

・基礎体温を測っておく
・しばらくは避妊する

などして、体調を整えておきましょう。

産後7か月のママが気を付けるべきこと

まとめ

赤ちゃんにとって、ママが一番大好きな人、おうちが一番安心する場所になっていることが伝わってくるようになる生後7か月ごろ。

ママはより愛しい気持ちが増すものの、困ったり焦ったりしてしまう場面もあることでしょう。

いたずらも、人見知りも、ママなら受け止めてくれると赤ちゃんが感じていることの現れです。

「手がかかる」と感じる赤ちゃんの行動も、愛情の証だと自信を持って過ごしましょう。



著者:川原 恵

保育士、幼稚園教諭2種免許
フラワーアレンジメントディプロマ取得

同志社大学卒業後、某大学附属校で7年間勤務。
幼稚園教諭として勤務経験(担任経験)あり。
フルタイム勤務をしながら通信制大学において資格を取得。
子どもと一緒に楽しむことが好きな、三児の母。育児中の経験を活かしフリーライターとして活動しています。