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【小児科医師執筆】赤ちゃんのおむつかぶれ原因と対策|受診の目安とホームケア方法
公開日 2021年03月11日
更新日 2021年08月31日
きれいな赤ちゃんのお尻にできてしまったおむつかぶれ。一生懸命スキンケアをしているのに、なかなか治らない、と悩んでおられる方もいらっしゃるのではないかと思います。
あるいは気をつけてスキンケアをしていたのに、いつのまにか赤ちゃんにおむつかぶれができてしまうこともあるでしょう。
そこで、今回の記事では赤ちゃんのおむつかぶれの原因、また受診の目安や自宅でのケアの方法について、ご説明したいと思います。
この刺激には、次のようなものがあります。
赤ちゃんの肌が、自分のうんちやおしっこに長時間触れていると、刺激を受けておむつかぶれを起こすことがあります。
特にうんちはおしっこよりも刺激が強いため、何度もうんちが出る場合や下痢をしている場合は、おむつかぶれを起こしやすくなります。
おしりふきやおむつによる肌への摩擦は、肌の表面にある保護バリアの力を弱めてしまいます。
さらにおむつと肌の摩擦、肌同士(皮膚の折り目など)の摩擦、またおむつエリアの肌を何度も拭き取ることが、刺激性物質の肌への浸透を促進する可能性もあります。
また、湿った肌は乾燥した肌よりも摩擦に弱くなりますので、おむつのエリアは特にこの問題が発生しやすくなります。
結果として、おむつかぶれがひどくなる、なかなか治らないことにつながることがあります。
敏感な赤ちゃんの肌は、今までとは違うメーカーのおむつ、今までと違うおしりふきやベビーローションを使うと刺激を受け、赤くかぶれることもあります。布おむつを使う場合は、おむつを洗う洗剤や柔軟剤が、おむつかぶれの原因となることもあります。
ちなみに、紙おむつと布おむつで、おむつかぶれのできやすさ、治りにくさに違いはありません。ただ紙おむつの種類を変えた、布おむつを洗う洗剤を変えた、などをきっかけにおむつのエリアが赤く腫れてくることがあれば、変えたことが原因になっていることを疑い、製品を元に戻すとよいでしょう。
これは細菌やカビにとって、好都合で増えやすい環境になります。
もしおむつのなか、また太腿の付け根や男の子のおちんちんの根元など、皮膚が折り目状に合わさるところを中心に点状に発疹がみられると、カビが増えている可能性があります。
なお赤ちゃんの肺炎などの治療に用いられる抗菌薬(抗生物質)は、下痢の原因となることがあり、おむつかぶれにつながることがあります。また、抗菌薬(抗生物質)は体に悪い菌だけでなく肌の表面にいる菌(常在菌)も殺してしまうことがあります。これもカビが増える原因ともなります。
カビにはカビに対する薬が必要になりますので、カビの特徴である「皮膚が折り目状に合わさるところを中心に点状に発疹がみられる」ときは、病院を受診した方がよいでしょう。
なお、かぶれている肌の表面がジクジクと湿っていて、同じような肌の異常がおむつのエリアの外にもできている場合はとびひ(伝染性膿痂疹)の可能性があります。こちらも治療法が異なりますので、医師にご相談ください。
1〜2週間ほどケアをしても改善の兆しがみられない、あるいは逆に悪化するようなときには、かかりつけの小児科かお近くの皮膚科を受診することをお勧めします。
局部の症状としては重症ですので、処方薬が必要になる可能性が高いと思われます。
無理をしないで早めに受診することをお勧めします。
このようなときは入院して治療が必要になることも想定されますので、できるだけ早めに病院を受診した方がよいでしょう。
【おむつかぶれ】
それでは、おむつかぶれに対し、お家でできるスキンケアの方法について、いくつかご紹介しておきます。
● おむつを頻回に変える
うんちやおしっこで濡れたり汚れたりしたおむつは、できる限り速やかに外しましょう。
赤ちゃんを保育園などに預けている場合は、保育士の方にも同じことをお願いしましょう。
● おむつを変えるときに肌をきれいにする
おむつを交換するたびに、ぬるま湯で赤ちゃんのお尻をすすぎます。
また石鹸を使用する場合は、赤ちゃん用の刺激の低いものを選びましょう。
洗い終えたら清潔なタオルで肌をやさしく拭くか、ドライヤーやうちわを使って風をあて、洗ったエリアを乾燥させます。
洗ったあとの赤ちゃんのお尻をタオルなどでこすらないようにしてください。タオルなどでこすると、さらに肌を刺激することになります。
浴槽などが使えない場合は、湿らせた布、コットンボール、あるいはおしりふき(ベビーワイプ)を使うことは構いませんが、優しく拭くようにしましょう。
ただし、アルコールや香料の入ったおしりふきは赤ちゃんの肌を刺激してしまいますので、使用しないでください。
なお、おむつを交換した後は、手をよく洗いましょう。手洗いをしっかりとすることで、手についてしまった細菌やカビを赤ちゃんの体の他の部分、また他の子どもに広げることを防ぐことができます。
自宅でケアをする場合は、程度が軽い場合は保湿クリームやベビーオイルでも十分です。
もし頻回におしりを拭く必要がある場合や保湿クリームでよくならない場合は、肌の保護を目的にワセリンや亜鉛華軟膏を使用するのがよいでしょう。
ちなみにベビーパウダーは、水分を吸っておむつのなかが湿る原因になりますので、あまりお勧めはしません。
肌は空気に触れることで、自然と乾きます。
可能であれば、おむつなしで過ごす時間を作るのも一案です。
また、おむつを締めすぎないようにしましょう。
おむつがきついと、おむつ部分が密閉されてしまい、おむつかぶれができやすい湿った環境ができあがります。
きついおむつは、太ももの付け根がこすれる原因にもなります。
この記事を参考に、まずできる限りおむつかぶれにならないように早めのおむつ交換を心がけること、またもしできてしまったら積極的にホームケアを取り入れてあげてください。
あるいは気をつけてスキンケアをしていたのに、いつのまにか赤ちゃんにおむつかぶれができてしまうこともあるでしょう。
そこで、今回の記事では赤ちゃんのおむつかぶれの原因、また受診の目安や自宅でのケアの方法について、ご説明したいと思います。
目次
赤ちゃんのおむつかぶれの原因
おむつかぶれの主な原因を2つご紹介します。赤ちゃんの肌への刺激
赤ちゃんの肌への刺激が、おむつかぶれの原因となり得ます。この刺激には、次のようなものがあります。
- ・うんちやおしっこが長時間赤ちゃんの肌に触れていることによる刺激
特にうんちはおしっこよりも刺激が強いため、何度もうんちが出る場合や下痢をしている場合は、おむつかぶれを起こしやすくなります。
- ・頻回に赤ちゃんのお尻を拭くことによる刺激
- ・おむつがきつくて肌とこすれてしまうことによる刺激
さらにおむつと肌の摩擦、肌同士(皮膚の折り目など)の摩擦、またおむつエリアの肌を何度も拭き取ることが、刺激性物質の肌への浸透を促進する可能性もあります。
また、湿った肌は乾燥した肌よりも摩擦に弱くなりますので、おむつのエリアは特にこの問題が発生しやすくなります。
結果として、おむつかぶれがひどくなる、なかなか治らないことにつながることがあります。
敏感な赤ちゃんの肌は、今までとは違うメーカーのおむつ、今までと違うおしりふきやベビーローションを使うと刺激を受け、赤くかぶれることもあります。布おむつを使う場合は、おむつを洗う洗剤や柔軟剤が、おむつかぶれの原因となることもあります。
ちなみに、紙おむつと布おむつで、おむつかぶれのできやすさ、治りにくさに違いはありません。ただ紙おむつの種類を変えた、布おむつを洗う洗剤を変えた、などをきっかけにおむつのエリアが赤く腫れてくることがあれば、変えたことが原因になっていることを疑い、製品を元に戻すとよいでしょう。
赤ちゃんの皮膚で起こる感染症
おむつのなかは、温度が高く湿った環境です。これは細菌やカビにとって、好都合で増えやすい環境になります。
もしおむつのなか、また太腿の付け根や男の子のおちんちんの根元など、皮膚が折り目状に合わさるところを中心に点状に発疹がみられると、カビが増えている可能性があります。
なお赤ちゃんの肺炎などの治療に用いられる抗菌薬(抗生物質)は、下痢の原因となることがあり、おむつかぶれにつながることがあります。また、抗菌薬(抗生物質)は体に悪い菌だけでなく肌の表面にいる菌(常在菌)も殺してしまうことがあります。これもカビが増える原因ともなります。
カビにはカビに対する薬が必要になりますので、カビの特徴である「皮膚が折り目状に合わさるところを中心に点状に発疹がみられる」ときは、病院を受診した方がよいでしょう。
なお、かぶれている肌の表面がジクジクと湿っていて、同じような肌の異常がおむつのエリアの外にもできている場合はとびひ(伝染性膿痂疹)の可能性があります。こちらも治療法が異なりますので、医師にご相談ください。
赤ちゃんのおむつかぶれで病院を受診するべきポイント
次に、赤ちゃんのおむつかぶれで病院を受診するべきポイントをご説明します。自宅で数日ケアしても改善しないとき
毎日自宅で肌のケアをしていてもなかなか改善しない場合、処方される薬が必要となることがあります。1〜2週間ほどケアをしても改善の兆しがみられない、あるいは逆に悪化するようなときには、かかりつけの小児科かお近くの皮膚科を受診することをお勧めします。
赤ちゃんの肌からの出血や痛みを伴うとき
また、かぶれている肌から出血するとき、ケアをすると痛みのために赤ちゃんが泣くようなときも、病院を受診する方がよいでしょう。局部の症状としては重症ですので、処方薬が必要になる可能性が高いと思われます。
無理をしないで早めに受診することをお勧めします。
発熱するとき
滅多にないことですが、おむつかぶれの赤みが広がり、熱が出るようなときは、局部の問題が全身に広がっている可能性があります。このようなときは入院して治療が必要になることも想定されますので、できるだけ早めに病院を受診した方がよいでしょう。
【おむつかぶれ】
お家で出来る、赤ちゃんのスキンケア方法
それでは、おむつかぶれに対し、お家でできるスキンケアの方法について、いくつかご紹介しておきます。
赤ちゃんのお尻など、かぶれているエリアを清潔に保つ
まずおむつかぶれを起こしているエリアを清潔に保つことを心がけます。● おむつを頻回に変える
うんちやおしっこで濡れたり汚れたりしたおむつは、できる限り速やかに外しましょう。
赤ちゃんを保育園などに預けている場合は、保育士の方にも同じことをお願いしましょう。
● おむつを変えるときに肌をきれいにする
おむつを交換するたびに、ぬるま湯で赤ちゃんのお尻をすすぎます。
また石鹸を使用する場合は、赤ちゃん用の刺激の低いものを選びましょう。
洗い終えたら清潔なタオルで肌をやさしく拭くか、ドライヤーやうちわを使って風をあて、洗ったエリアを乾燥させます。
洗ったあとの赤ちゃんのお尻をタオルなどでこすらないようにしてください。タオルなどでこすると、さらに肌を刺激することになります。
浴槽などが使えない場合は、湿らせた布、コットンボール、あるいはおしりふき(ベビーワイプ)を使うことは構いませんが、優しく拭くようにしましょう。
ただし、アルコールや香料の入ったおしりふきは赤ちゃんの肌を刺激してしまいますので、使用しないでください。
なお、おむつを交換した後は、手をよく洗いましょう。手洗いをしっかりとすることで、手についてしまった細菌やカビを赤ちゃんの体の他の部分、また他の子どもに広げることを防ぐことができます。
おむつかぶれのエリアを軟膏で保護する
もし頻回におむつかぶれを起こすようであれば、軟膏やクリームを使います。自宅でケアをする場合は、程度が軽い場合は保湿クリームやベビーオイルでも十分です。
もし頻回におしりを拭く必要がある場合や保湿クリームでよくならない場合は、肌の保護を目的にワセリンや亜鉛華軟膏を使用するのがよいでしょう。
● ワセリン
ワセリンは油の成分を含んでいるため水をはじきます。
おむつ交換のたびに、肌にバリアを作るワセリン軟膏を塗って、おむつかぶれを防ぎましょう。
ワセリンは、しっかりと塗りのばすことでうんちやおしっこと肌の間に膜を作ることができるので、肌への刺激を防ぐことができますし、肌を保湿することもできます。
● 亜鉛華軟膏
亜鉛華軟膏は肌の炎症をやわらげる成分が含まれています。
亜鉛華軟膏は白い軟膏ですが、おむつかぶれができているところにしっかりと塗ります。
おむつを変えるたびに塗り直し、1日1回のお風呂のときにしっかりと洗い流しておくとよいでしょう。
ワセリンは油の成分を含んでいるため水をはじきます。
おむつ交換のたびに、肌にバリアを作るワセリン軟膏を塗って、おむつかぶれを防ぎましょう。
ワセリンは、しっかりと塗りのばすことでうんちやおしっこと肌の間に膜を作ることができるので、肌への刺激を防ぐことができますし、肌を保湿することもできます。
● 亜鉛華軟膏
亜鉛華軟膏は肌の炎症をやわらげる成分が含まれています。
亜鉛華軟膏は白い軟膏ですが、おむつかぶれができているところにしっかりと塗ります。
おむつを変えるたびに塗り直し、1日1回のお風呂のときにしっかりと洗い流しておくとよいでしょう。
ちなみにベビーパウダーは、水分を吸っておむつのなかが湿る原因になりますので、あまりお勧めはしません。
おむつかぶれのエリアが空気に触れるようにする
また毎日数回でよいので、軟膏をつけないで肌が空気に触れる時間を作ることも重要です。肌は空気に触れることで、自然と乾きます。
可能であれば、おむつなしで過ごす時間を作るのも一案です。
また、おむつを締めすぎないようにしましょう。
おむつがきついと、おむつ部分が密閉されてしまい、おむつかぶれができやすい湿った環境ができあがります。
きついおむつは、太ももの付け根がこすれる原因にもなります。
まとめ
おむつかぶれで赤ちゃんのお尻が赤くなると、ケアをしていても痛々しく感じます。この記事を参考に、まずできる限りおむつかぶれにならないように早めのおむつ交換を心がけること、またもしできてしまったら積極的にホームケアを取り入れてあげてください。
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