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卒乳のやり方と時期

断乳と卒乳の違い?やり方と時期・準備は必要?卒乳後のおっぱいケアと寝かしつけ

断乳と卒乳の違いはご存じでしょうか。

意外と知らない人もいるかもしれませんね。

知っているけどやり方やその後のおっぱいトラブルが怖い…とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

今回は、断乳と卒乳の違いや、断乳・卒乳の時期と準備の仕方、その後のケアについて詳しくまとめていきます。

『断乳』と『卒乳』の違いは?

では、さっそく断乳と卒乳の違いについてです。

一般的に断乳というのは、ママの都合で母乳・ミルクを与えない、授乳をやめることです。

対して卒乳というのは、赤ちゃんのほうから自然と母乳・ミルクを欲しがらず、離乳食や幼児食だけで生活できるようなり、授乳を卒業することを指します。

親の意思の場合は断乳、赤ちゃんの意思の場合は、卒乳となります。

断乳と卒乳の違い

赤ちゃんの『断乳』の時期

調査によると、平均1歳4か月で授乳をやめているママが多く、短ければ10か月、長くて4歳3か月のママもいます。

出典

母乳育児の継続に影響する要因と母親のセルフ・エフィカシーとの関連/中田かおり/日本助産学会誌 208-221, 2008/厚生労働省/2019年6月7日現在

授乳期間はとても個人差があります。

WHO(世界保健機関)では、2歳までの母乳育児を推奨しています。

また、近年の母子手帳には、断乳の項目がなくなっていることから、無理に断乳をする必要はないといわれています。

しかし、実際には

・ママが2人目を妊娠
・病気
・仕事復帰

など、理由がある場合には、断乳せざるを得ません。

このように、卒乳まで待たず、断乳するケースも少なくありません。

断乳する時期は断乳が必要になった時です。

昔は生後9か月~生後12か月頃に断乳をしていた時期があり、祖父母世代からは「まだ母乳をあげているの?」といわれるかもしれません。

現在は無理に断乳する必要はないととらえて、焦らないようにしましょう。


【 関連記事 】
赤ちゃんの授乳!母乳はいつまで?ミルクの量は?注意点とよくあるトラブル

断乳の進め方は?

親子ともに、調子のいい日を見計らって進めましょう。

入園を機会に断乳するママが多いかもしれませんが、その前の準備として、ママ側にゆとりがあるかを自分で確認してみましょう。

断乳後はおっぱいに痛みや張りが出てきて、乳腺炎になるママもいます。

できるだけ、パパの協力を得て断乳を進めましょう。

具体的な断乳の進め方としては、

・1回の授乳時間を少しずつ減らす
・授乳時間を徐々に減らしてうまくいったら、授乳回数を減らす
・1日1~2回の授乳でよくなったら3日間やめる日を決める
・3日間やめることができたら断乳完了とし、ママのおっぱいケアを始める

このようなイメージで進めていきます。

1度で絶対に成功するわけではないので、焦らずに行いましょう。

授乳回数を減らすためには、外遊びなどが効果的です。他の事に夢中になり、授乳のことを忘れさせるなどの工夫をしてみましょう。

「この日からおっぱいをやめるよ。」ということを、最低でも2週間前から言い聞かせるようにするとスムーズかもしれません。

最初は泣きわめく子が多く、イヤイヤ期などでは頭が痛くなるママもいますが、会話やスキンシップで気を紛らせてあげて、うまく乗り切りましょう。

何度も言いますが、親子ともに、心も体も調子のいい日を選んで行うようにしてください。

断乳後の赤ちゃんとママのケアは?

断乳後の赤ちゃんのケア

断乳の際、赤ちゃんはおっぱいがもらえない=ママに嫌われたと思ってしまう子もいます。

子どもは少なからずストレスを感じてしまうので、心のケアもきちんとしてあげましょう。

嫌われたと思わせないために、

・いつも以上にスキンシップをたくさんとる
・コミュニケーションを大切にする

などしましょう。

また、今までは母乳から水分をとっていたため、断乳後は脱水症状(水分不足)に注意をしましょう。

お風呂上りに授乳をするように、入浴後はお茶やお水などの水分を与えることを忘れないようにしてください。

水分だけではなく、栄養がきちんと取れているかも確認してあげましょう。

確認するために、きちんと体重が増えているかをみてあげましょう。

断乳後のママのおっぱいケア

断乳後、ママの乳房には張りや痛みが出てきます。

少しずつ搾乳をして、乳管のつまりを解消するようなイメージでマッサージを行いましょう。

急に何度も搾乳をすると、母乳が分泌されやすくなるので注意してください。

また、乳房が熱を持った場合には濡れタオルなどで冷やしましょう。

母乳の出がいいうちに断乳をしたママは、産院の「母乳外来」や「母乳育児相談室」などで母乳(おっぱい)マッサージをしてもらって母乳を出し切ると楽になります。

その後、冷やしましょう。

張りが辛いときは、絶対に我慢をせずに婦人科や母乳外来に相談しましょう。

放置すると乳腺炎などの乳房トラブルになる恐れがあります。

断乳後のママのおっぱいケア

赤ちゃんの『卒乳』の時期

卒乳は、赤ちゃんが自然とおっぱいから離れることを指すため、時期は定まっていません。

平均的には一歳半健診のときに卒乳している子が多いといわれています。

出典

卒乳に関する保護者の意識調査/井出正道 成宮秀子 島崎絵美 熊谷純子 朝田芳信/小児歯科学雑誌 54(4)462−469 2016/2019年6月7日現在

1歳を過ぎると離乳食も進み、栄養をきちんと食事からとれるようになる時期なので、赤ちゃんは母乳を欲しがらなくなることが多いのでしょう。

卒乳の条件とは?

卒乳となる時期には個人差がありますが、条件がそろってくると自然と卒乳に向けて準備が進められます。

・栄養が食事からとれる
・水分補給が1人でできる
・1人歩きができる
・母乳の量が減ってきている

などです。

これらの条件がそろったら、卒乳へ向けて授乳回数を減らしていく意識をしましょう。

卒乳の準備の仕方

赤ちゃんがおっぱいから離れていくのが一般的ですが、卒乳に向けてママにできることは何でしょうか。

・母乳をママから与えず、欲しがるときだけ与える
・おやつや水分を与えて、授乳回数を減らす
・2歳を過ぎていれば、「ご飯の後」と言い聞かせる
・外で遊ばせる

などです。

これらを意識的に行うことで授乳回数が減り、授乳回数が減ることで母乳の分泌量も減っていきます。

そうなると、卒乳後にケアする必要がなくなるママもいます。

卒乳後の赤ちゃんとママのケアは?

卒乳後は、断乳後と同じように、水分と栄養がしっかりとれているかを見てあげましょう。

また、おっぱいをくれない=ママに嫌われたと考える子は少ないですが、「おっぱいがほしいけど我慢しなきゃ。」と感じる子はいます。

いずれにしても、スキンシップとコミュニケーションは大切にしましょう。

また、母乳の出がいいのに急に赤ちゃんが卒乳してしまった!という場合、おっぱいトラブルに悩むママがいます。

その場合は、断乳の場合と同様に、

・熱を持っていたら冷やす
・少しずつ搾乳して乳管のつまりを取るイメージでマッサージをする

など対処してください。

母乳外来に相談してマッサージしてもらうと、自分で行うより楽になるのでおすすめです。

卒乳後の赤ちゃんとママのケア

ミルクの卒乳時期

母乳に近いとされている粉ミルクは一般的には生後9か月~1歳までのものが多く、それ以降は栄養補給とするフォローアップミルクに切り替えます。

また、1歳以降は温めた牛乳に切り替えるママも多いため、水分補給として活用してみるといいでしょう。

食事から栄養や水分が取れていれば、フォローアップミルクも卒業です。

ミルクを欲しがったときは

・牛乳を与える
・おやつにヨーグルトやフルーツをあげる

など気をそらしてあげましょう。

1歳を過ぎたあたりから、ストローマグやコップの練習を始めてみましょう。

また、哺乳瓶でミルクを与えるとき抱っこしていたママは、ストローマグやコップに切り替える際にスキンシップが減ってしまうことがあります。

栄養と水分をとることももちろん大切ですが、スキンシップを欠かさずにしてあげましょう。

ミルク卒乳時期

断乳・卒乳後の寝かしつけ

今まで寝かしつけ=授乳だったママも多いはずです。

断乳・卒乳後はどう寝かしつけるの?と疑問に思う事でしょう。

ここでは、寝かしつけについてまとめていきます。

断乳・卒乳直後はなかなか寝てくれないかもしれません。

断乳・卒乳後の寝かしつけでポイントなのは、眠るまでの時間をどう過ごしたかです。

その際に、次のことを参考にしてみてください。

・日中は外でたくさん遊ばせる
・お昼寝は夕方4時以降させない
・もし4時以降に寝てしまった場合は、30程度で起こす
・生活リズムを作り、毎日同じような時間に就寝する
・就寝時間30分前には布団に連れていき、部屋を暗くする
・テレビ・スマホなどは消しておく

このようにすると意外とすんなり寝てくれる可能性が高くなります。

寝る前は、一緒にパパやママも横になりましょう。

寝かしつけ方は人それぞれ異なります。

【寝かしつけ方:例】
・一緒に横になってトントンする
・絵本を読む習慣をつける
・その日の出来事を話す
・寝たふりをする

赤ちゃんに合った寝かしつけ方で寝かしつけをしましょう。

また、寝てくれないからといって毎日違う方法で行うと赤ちゃんが混乱してしまうので、最低3日は同じ方法を続けてあげましょう。

断乳・卒乳後の寝かしつけ

まとめ

断乳・卒乳についてまとめてきました。

卒乳まで頑張りたくても断乳せざるを得ない人、卒乳してほしいのになかなかできない人など、様々な事情があると思います。

母乳であっても、ミルクであっても、断乳しても、卒乳しても、赤ちゃんの体重が増えていれば基本的に問題はありません。

周りの人どうであろうと、何を言われたとしても、焦る必要はありません。選択権はママにあります。

言葉に惑わされず、ママが育てやすいと思う方法で行うのが一番です。

断乳や卒乳が完了すると、寂しく思うママもいますよね。

最後だと決めた日に、携帯などで授乳中の我が子の写真を撮っておくことをお勧めします。ただしデータは、誰にも見られないようにママが大切に保管しておいてくださいね。