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生後1か月

【医師監修】生後1か月とは?赤ちゃんの成長・発達・睡眠時間・授乳と生活リズム

この記事の監修医

木村 眞樹子 先生

資格・経歴

内科専門医 循環器専門医 睡眠専門医 産業医

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 産業医として企業の健康経営にもかかわる。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

赤ちゃんが生後1か月になり1か月健診を無事すませると、お部屋の中で過ごすことが基本だった毎日から少しずつ

『できること』
『やってあげられること』

が増えて世界が広がっていきます。

この頃に家族でお宮参りに行き、誕生のお祝いとこれからの成長を願います。

健診で問題がなければ、

・沐浴を終えて家族と一緒のお風呂に入れるようになる
・外出できるようになる

など赤ちゃんとママの生活はこれまでとは変化します。

これからもママが安心して赤ちゃんとの生活を楽しむために、生後1か月の赤ちゃんの成長の様子や生活について見ていきましょう。

生後1か月の赤ちゃんの成長と発達

赤ちゃんが生まれてから1か月が経ち、生まれたばかりの頃は細くて小さかった

・腕
・脚
・顔周り

がふんわりと肉づき始めます。

ここでは、実際の赤ちゃんの身体の成長と発達について具体的に解説していきます。

【生後1か月】赤ちゃんの体重・身体の成長

厚生労働省が平成22年に行った乳幼児身体発育調査によると、生後1か月の赤ちゃんの身長、体重の平均値は以下の通りとの結果が報告されています。

男の子
身長 50.9~59.6㎝
体重 3.53~5.96㎏

女の子
身長 50.0~58.4㎝
体重 3.39~5.54㎏

母子手帳にある成長曲線グラフに、月齢ごとにその時の赤ちゃんの身長、体重をマークして成長具合をチェックしてみるといいでしょう。

あくまでも平均のめやすなので、多少外れているからといって過度な心配をする必要はありませんが、下限、上限のラインから大きくそれていて気になる場合は

・健診
・予防接種

の際に医師に相談してみましょう。

【生後1か月】赤ちゃんの発達

見つめる

生後1か月の赤ちゃんは、上下左右に瞳を動かして視線で物を追うことができるようになってきます。

・赤ちゃんを抱っこする人
・顔を近づけてあやしてくれる人

のことをじっと見つめるようになります。

まだ遠くにあるものは見えにくく、自由に首や顔を動かすことも難しいので、あやす時はなるべく顔が赤ちゃんの視界に入るように声をかけてあげると喜んでくれるでしょう。

また、おもちゃを目の前で動かしてあげることで、目の動きの発達を促す練習になります。

感情表現

赤ちゃんは起きている時間に、色々な感情を表現できるようになってきます。

ご機嫌がいい時は

・にっこり笑う
・声を出して楽しい気持ちを表す

などします。

また、泣き方にも変化が出てきます。

・お腹が空いた時
・おむつを替えてほしい時
・抱っこしてほしい時

など、その時によって微妙に違う声で泣く赤ちゃんもいるので、日ごろの様子を観察しながら赤ちゃんの思いを聞き取ってみましょう。

感情表現

新生児訪問

自治体によってタイミングや方法が異なることがありますが、赤ちゃんが生まれて1か月前後に地域の

・保健師さん
・助産師さん

による家庭訪問が行われます。

赤ちゃんの身体の成長や発達をチェックしてくれるだけでなく、

・ママの授乳の相談
・育児の相談

を聞き、アドバイスをしてくれます。

・赤ちゃんやママの状態で気になっていること
・不安なこと

がある場合はぜひこの機会に相談してみましょう。

【生後1か月】赤ちゃんの授乳間隔は?

生後1か月の赤ちゃんの場合、だいたい1~3時間おきの間隔で、1日8~10回ほどの授乳をすることになるでしょう。

少しずつ赤ちゃんの口周りの筋肉がついてくることで、一度に飲める量が増えますが、まだその時々によって

・回数
・量

安定しないことが多い時期です。

なので、授乳の時間や間隔にばらつきがあっても心配せずに、赤ちゃんが欲しがるときにあげましょう。

母乳をあげていると、

・実際にどれくらい出ているのか
・赤ちゃんにとって足りているのか

の判断が難しい場合もあります。

・おっぱいをあげた直後でも赤ちゃんがぐずぐずしたり泣いたりしてご機嫌が悪い
・赤ちゃんがいつまでもおっぱいを口から離そうとしない
・体重がなかなか増えない
・おしっこやうんちの回数が極端に少ない

といったことに心当たりがあれば、母乳が不足している可能性も考えられます。

ママの食生活睡眠などの生活習慣の見直しによって量が増えることもありますが、母乳の分泌量には個人差があるものなので、

・明らかに足りていないことがわかる場合
・心配に感じる場合

はミルクを足してあげましょう。

大切なのは、

・赤ちゃんが栄養不足にならないこと
・ママの心身の負担が軽くなること

です。


【 関連記事 】
赤ちゃんの授乳!母乳はいつまで?ミルクの量は?注意点とよくあるトラブル

【生後1か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

生後1か月の赤ちゃんは、授乳の時間を間にはさみながら、基本的には寝たり起きたりを繰り返して過ごします。

1日のうちの多くの時間を眠って過ごすことになるでしょう。

まだ生活リズムも安定しないため、3~4時間程度眠ってお腹が空いたタイミングで起きる場合もあれば、もっと長く眠ったり、細切れで起きたりする場合もあります。

昼夜の区別がつかずに夜中でも目が覚めて泣いたり眠れなかったりすることもありますが、

・日中は明るく活動する時間
・夜は暗く眠る時間

ということを徐々に体で覚えていけるような環境づくりを意識し、今後の生活に適応していけるよう慣らしてあげましょう。

低月齢のうちはすぐには身につかないこともありますが、続けていくことでリズムができていきます。

また、ママも睡眠不足になりがちなので、赤ちゃんのお昼寝の間などに横になってこまめに休息をとりましょう。

赤ちゃんの睡眠時間

生後1か月の赤ちゃんとの生活リズム・スケジュール

【生後1か月】赤ちゃんとママの過ごし方は?

生後1か月の赤ちゃんとママが過ごす1日のスケジュールの一例を参考までに記しています。


7:00 起床・授乳
8:00 遊び
日光が入る部屋で、朝がきたことを教えてあげましょう
9:00 睡眠
10:00 外気浴・授乳
11:00 睡眠
午前や日中のお昼寝の際は、あえて暗い部屋に移動する必要はありません
12:00 睡眠
13:00 授乳
14:00 遊び
15:00 睡眠
16:00 授乳
17:00 睡眠
18:00 お風呂
お風呂上りに慌てないために、オムツなどは準備しておきましょう
19:00 授乳・ねかしつけ
22:00 授乳
1:00 授乳
4:00 授乳

夜の睡眠中は赤ちゃんの様子を見て3時間おきに授乳をしてもよいでしょう。

ベビーバスでの沐浴を卒業して、大人と一緒のお風呂に入れるようになります。

かといって、大人と同じくらいの時間湯船につかっていると温まり過ぎて赤ちゃんがのぼせてしまうおそれがあります。

身体をきれいにできたら、長湯はせずにお風呂からあがり、湯冷めしないように手早くオムツや服を身につけてあげましょう。

お風呂上りには

・授乳か白湯で水分補給をしてあげること
・肌の保湿

も忘れないようにしてください。

赤ちゃんとの生活に慣れるまで少し慌ただしく、コツをつかむまでが大変な時期なので、家族と協力して役割分担できるといいですね。

また、外出も可能な時期になってきますが、

・なるべく長時間や人混みは避ける
・近所でのお散歩や簡単なお買い物をする

など、赤ちゃんにとってもママにとっても負担の少ないところから始めましょう。

真夏や真冬などは無理にお出かけせず、ベランダや家の玄関の前などで抱っこして、外の空気や景色、音を感じさせてあげましょう。
赤ちゃんにとってよい刺激になり、日中と夜とのメリハリがついてきます。


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【生後1か月】赤ちゃんとの生活の注意点

便秘

生後1か月の赤ちゃんは、排せつの回数が多く、柔らかいうんちを1日に数回することもあります。

そこで気になるのが便秘です。

・うんちが何日も出ていない状態が続いている
・おなかの下あたりを優しく押すと硬い感じがする
・おっぱいやミルクをあまり欲しがらない
・ご機嫌が悪く、うんちをしようとする時に痛がって泣く

といったことがあれば、便秘になっているかもしれません。

家でできる応急処置として、ベビーオイルをしみこませて湿らせた綿棒で赤ちゃんの肛門の近くを優しくなぞって刺激し、排せつを促す「綿棒浣腸」があります。

また、白湯などで水分を補給してうんちが硬くなることを防ぎましょう。

それでも効果がなく、心配な場合は小児科を受診しましょう。

量や回数には個人差があるため神経質になり過ぎる必要はありませんが、毎日のおむつ替えで便の状態をチェックし、普段の傾向を見ておきましょう。


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乳幼児突然死症候群(SIDS)

生後6か月くらいまでに、まれに起こることがある乳幼児突然死症候群(SIDS)。

元気だった赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなってしまうという病気で、原因は不確かです。

・家族が禁煙する
・寝るときは仰向けにする
・なるべく母乳をあげる

ことなどで発症の可能性が低くなるといわれています。

大切な赤ちゃんのために、少しでもリスクを減らせるよう対策しておきましょう。


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【小児科医師執筆】赤ちゃんの乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?確率と危険因子・予防対策

寝るときは仰向けにする

産後1か月のママが気を付けるべきこと

ママの身体の状態

赤ちゃんの1か月健診と同時期に、ママの産後健診も行われます。

内診など様々な検査を通して、産後の身体が順調に回復しているかをチェックしてもらいます。

・悪露の状態
・会陰切開の縫合の状態
・子宮の戻りなどの経過

に問題がなく、医師からOKが出ればほぼ妊娠前と同じように生活していいことになります。

シャワーだけでなく入浴も可能になります。

ただし、いくら順調に回復しているといってもやはり出産による身体への負担は相当なものです。

急激に以前と同じような生活に戻すのではなく、身体と相談しながら無理なく徐々に活動量を増やしていくようにしましょう。

また、

・慣れない赤ちゃんのお世話
・睡眠不足

により、精神的な疲労がたまってくる時期でもあります。

責任感の強いママほど、赤ちゃんを守るためにと頑張りすぎてしまいがちですが、つらいと感じることがあっても何も後ろめたいことはありません。

気持ちの余裕がなくなる前に、すぐにSOSを発信して応援を頼めるよう、自分の周囲にはどのようなサポート体制があるか、予め頭に入れておきましょう。

お出かけ

アクティブで元気なママにとって、外出できるようになるのは嬉しいことでしょう。

ただ、出産前とは異なり、基本的に赤ちゃんと一緒の行動になるので、それまで気軽にお出かけできていた時とは様々な面で勝手が違います。

赤ちゃん連れのお出かけには、事前の準備が色々と必要です。

・オムツ
・おしりふき
・授乳グッズ
・お着替え一式

など、荷物の量も膨大になります。

また、ベビーカーでのお出かけでは、

・エレベーターの位置の確認
・段差の有無などを確認

しておかないと、遠回りを余儀なくされて時間がかかってしまうこともあります。

外出先で慌てないためにも、準備や事前チェックをしておき、お出かけを楽しめるようにしましょう。


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お出かけ

まとめ

生後1か月になると、赤ちゃんとママの世界は少しずつそれまでより広がり、色々な初めてのこともできるようになってきます。

とはいえ、まだ睡眠も授乳も不安定で、なかなかママが思うようにスムーズに1日を過ごせないこともたくさんあって当然の時期です。

そんな時は「今日は1日何もできなかった」と感じる必要はなく、赤ちゃんとの時間を思いっきり過ごせた日になったのです。

小さく可愛い赤ちゃんの姿を1日中見ていられる時間、軽々と抱っこできてしまうこの感覚は、とても貴重でかけがえのないものになるはずです。

あれもこれもやろうと無理せず、今しかない大切な時間をゆったりと楽しみましょう。



著者:川原 恵

保育士、幼稚園教諭2種免許
フラワーアレンジメントディプロマ取得

同志社大学卒業後、某大学附属校で7年間勤務。
幼稚園教諭として勤務経験(担任経験)あり。
フルタイム勤務をしながら通信制大学において資格を取得。
子どもと一緒に楽しむことが好きな、三児の母。育児中の経験を活かしフリーライターとして活動しています。