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【医師監修】生後5か月とは?赤ちゃんの成長・発達・睡眠時間・授乳と生活リズム

この記事の監修医

木村 眞樹子 先生

資格・経歴

内科専門医 循環器専門医 睡眠専門医 産業医

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 産業医として企業の健康経営にもかかわる。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

生後5か月になると、ほとんどの赤ちゃんが首もすわり、身体つきがしっかりしてきます。

腕や脚の肉づきがよくなり、ふくよかな体型になってきて、生まれたての頃とはまた違ったかわいらしさが感じられますよね。

赤ちゃんによって

・発達の個人差
・性格の違い

も顕著になってきて、ママにとってはその成長が嬉しい一方で、不安を感じる時も増えてくるかもしれません。

ママが安心して赤ちゃんとの生活を楽しむために、生後5か月の赤ちゃんの成長の様子や生活についてまとめました。

生後5か月の赤ちゃんの成長と発達

日に日に重みも増して、活動的な面を見せてくれる生後5か月の赤ちゃん。

赤ちゃんの身体の成長と発達について、具体的に解説していきます。

【生後5か月】赤ちゃんの体重・身体の成長

厚生労働省が平成22年に行った乳幼児身体発育調査によると、生後5か月の赤ちゃんの身長、体重の平均値は以下の通りとの結果が報告されています。

男の子
身長 61.9~70.4㎝
体重 6.10~9.20㎏

女の子
身長 60.1~68.7㎝
体重 5.74~8.67㎏

【生後5か月】赤ちゃんの発達

寝返り

生後5か月になると、寝返りができる赤ちゃんも出てきます。

首がすわり、うつぶせの体勢で首が持ち上げられるようになると、寝返りまであと少しです。

この頃には、うつぶせの状態で少し上半身を持ち上げ、腕や脚を伸ばしながら宙に浮かせる「飛行機ポーズ」も見られるようになります。

全身の筋肉がついてきたことで、赤ちゃん自身が身体を動かすことを楽しんでいる様子がうかがえますね。


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個人差が大きい部分ですが、早い場合は乳歯が生え始めることがあります。

また、まだ白い歯の部分は見えなくても、下あごの歯茎の真ん中辺りが

・少し硬くなってきてくる
・でこぼことしてきている

などしたら、乳歯がもうすぐ生えてくる準備が始まっているということでしょう。

歯の生え始めは赤ちゃんにとっては違和感があるようで、口の中が気になってしまうため

・おもちゃなどをよく噛む
・よだれが増える

などします。

この時期は特に、

・赤ちゃんのよく使うおもちゃは衛生を保つよう心がける
・よだれかけの替えを多めに用意しておく

など、お世話をする人は様子を気にかけてあげましょう。


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離乳食

生後5~6か月の時期に、離乳食を始めることが一般的に推奨されています。

疾患などの特別な事情がある場合を除いて、開始の時期があまり早すぎても遅すぎても、赤ちゃんの次の発達段階に影響が出てくる可能性があるため、この頃をめどに赤ちゃんの様子を観察しながら始めてみてください。

首がすわったことで

・支えてもらった状態でのおすわりができるようになる
・大人が食べている様子を目で追ってよだれを垂らす

といったいくつかのサインが出ると思います。

最初のうちは、初めての味やスプーンの感触を受け入れられずに拒絶する場合もありますが、「全く食べてくれない」と焦らずに、少しずつゆっくりと慣らしてあげましょう。

様子を見て開始時期を少し遅らせる場合でも、

・離乳食にあった方が便利な道具
・作り方のコツ

などがいるので、いつでもスタートできるよう調べて準備をしておきましょう。


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離乳食

【生後5か月】赤ちゃんの授乳間隔は?

生活リズムができてきて、授乳の時間や間隔が安定してくる頃でしょう。

だいたい3~5時間おきに、1日5~6回の授乳間隔になるのが目安です。

1回につき200~220ml程度の量を飲めるようになり、満腹感を得られると次の授乳の時間までの持ちもよくなります。

また、水分補給のために白湯などをあげる際、哺乳瓶から少しずつマグなどに移行してみてもよいでしょう。

乳首とストローの間の形状の「スパウト」と呼ばれるものを取り付けて、徐々に色々なものを口にできる練習をしてみましょう。


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【生後5か月】赤ちゃんの睡眠時間は?

生活リズムがついてきた生後5か月の赤ちゃんは、夜にまとまった時間寝られるようになってきます。

お昼寝1~2回を合わせると、1日合計13~15時間程度が睡眠時間となっているでしょう。

それまでは生活習慣の中にあった「夕寝」を、この時期辺りから少しずつなくしていくようにリズムを変えていくと、夜の寝つきがよくなります。

どうしても夕方に眠くなってぐずぐずしてしまう場合もありますが、

・お気に入りのおもちゃで遊ぶ
・ママとスキンシップのとれる遊び

などで楽しんで気を紛らわしながら、なるべく起きていられる状況をつくってあげましょう。

ちょっと早めにお風呂に入るのも一つの方法です。

また、この頃から「夜泣き」が始まる子もいます。

脳や身体の機能が発達してきたことによって、赤ちゃんは色々なことに興味を持ち、刺激を受けます。

その分、吸収した様々なことが処理しきれないこともあるかもしれません。

夜泣きの理由は様々ですが、成長の過程の一つと考えられます。

対策としては、

・夜泣きをしたら一緒に別室に移動する
・着ている服を別のものに取りかえる

など、赤ちゃんにとってちょっとした気分転換になるようなことを探ってみてもよいでしょう。

夜泣きが続く時期はママも睡眠不足になりがちです。

休日などパパに交替してもらえる状況があればお願いして、眠れる時に眠っておきましょう。


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【生後5か月】赤ちゃんの睡眠時間

生後5か月の赤ちゃんとの生活リズム・スケジュール

【生後5か月】赤ちゃんとママの過ごし方は?

生後5か月の赤ちゃんとママが過ごす1日のスケジュールの一例を参考までに記しています。


7:00 起床・授乳
8:00 遊び
日光の入る明るい部屋で、安全な場所を確保して遊びましょう
9:00 睡眠
眠くならなければそのまま様子を見ても、比較的ご機嫌がいい時間帯
10:00 お散歩・日光浴
11:00 離乳食・授乳
12:00 睡眠
13:00 睡眠
早めに目が覚めたら、目を合わせて声をかけてあげると喜びます
14:00 遊び
15:00 授乳
16:00 遊び
少しずつ夕寝をなくす習慣にしていきましょう
17:00 遊び
ご機嫌が悪いこともありますが、おもちゃなどで安心させてあげましょう
18:00 お風呂
スキンシップもたっぷりと
19:00 授乳・ねかしつけ
23:00 授乳
3:00 授乳

寝かしつけた後、必要であれば1~2回授乳をしてもよいでしょう。

朝までぐっすり眠る子もいれば、夜泣きをする子もいます。

授乳やおむつ替えなど、その時の対処だけでなく、一日の過ごし方が習慣づいていくことによって徐々におさまっていくはずなので、夜泣きが続くようなら毎日のスケジュールを見直してみてもよいでしょう。

・体力を使うことや初めてのことはなるべく午前中に
・午後はゆったり過ごすこと

を意識することで、活動にメリハリがつき、生活リズムが整いやすくなります。


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【生後5か月】赤ちゃんとの生活の注意点

寝返りができつつある生後5か月の赤ちゃんは、仰向けで寝ていると思っていたらいつの間にかうつ伏せの状態になっている、という可能性も出てきます。

赤ちゃんがいつうつ伏せに変わっても危険がないように、顔がうまってしまう柔らかさのものは近くに置かないようにして窒息の可能性を防ぎましょう。

赤ちゃんの動きが大きくなってくるにつれて、それまで安全だと思っていた場所がこれからも同じように安全とは限らなくなります。

・赤ちゃんのねんねスペース
・遊びスペース

の見直しを行い、対策をとりましょう。

また、何でも手にとって口に入れたがる時期です。

赤ちゃんに口に入れてほしくないものは手の届かない所に置く習慣を家族で徹底し、口に入れても大丈夫なおもちゃなどについても、こまめにきれいにするようにして衛生的にしておくことが大切です。


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生後5か月】赤ちゃんとの生活の注意点

産後5か月のママが気を付けるべきこと

ママの身体の状態

赤ちゃんのお世話に慣れ、活動的な生活が戻ってくるママもいることでしょう。

その中で、個人差はありますが、「抜け毛」の量が急に増えたと感じることがあるかもしれません。

妊娠、出産という急激な身体の変化に伴いホルモンバランスに影響が出て、産前産後に

・抜け毛
・白髪

が増えることがよくあります。

赤ちゃんのいるママはお風呂の時間も手短になってしまいがちですが、普段使っているコンディショナーを、ちょっとだけいいトリートメントに変えるなど、時間をかけなくてもできる工夫を考えてみるといいかもしれませんね。

また、ヘアサロンに行く機会があれば、

・お悩みを軽くするヘアスタイルに変えてもらう
・ケアの方法を教えてもらう

など、プロの目線でアドバイスをもらえるのでぜひ相談してみましょう。

時間とともに抜け毛も改善してくるのであまり気にしすぎないようにしてください。

また、思ったように体型がなかなか戻らずに焦るママもいるかもしれません。

しかし、授乳中に過度なダイエットは禁物です。

・体重があまりにも戻らない
・脂肪がつきすぎている

と感じる場合は食事の見直しも必要ですが、極端に摂取カロリーを減らすといったことはせず、

・糖分や脂肪分の高いものばかり食べ過ぎる習慣があれば改善
・栄養素がしっかり摂れるバランスのよい食事に改善

していきましょう。

食事内容だけでなく、毎日負担にならない程度に身体を動かす習慣を取り入れられるといいですね。


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おすすめの過ごし方

ママの運動習慣と心身のリフレッシュを兼ねて、

・お散歩
・エクササイズ

を始めてみてもいいでしょう。

赤ちゃんを連れてご近所や自然の多い場所をお散歩すると、赤ちゃんにとって五感が刺激されるだけでなく、ママの気分転換にもなります。

時には気候に左右されないショッピングモールなどに行ってみても、赤ちゃんやママのグッズを見ながら楽しんでいるうちに、いつの間にかたくさんの歩数を歩いていることがありますよ。

また、ジムなどに行って本格的にトレーニングを始めることが難しいママにとって、自宅でできるエクササイズだけでも十分効果があります。

例えば、赤ちゃんを抱っこしながらスクワットをすると、赤ちゃんが負荷の代わりになって、より効果的かもしれません。
他にもご機嫌よく遊んでいる赤ちゃんを隣で見ながらストレッチなどをしてみると、赤ちゃんが興味深くママを見てくれることもあります。

「赤ちゃんがいるから無理」と諦めてしまう前に、一緒にできる方法を考えてみると、お互いにとって楽しい時間ができる可能性もありますよ。

おすすめの過ごし方

まとめ

生後5か月になると、赤ちゃんの成長や発達の度合いに個人差がわかりやすくなり、つい同じ月齢の他の赤ちゃんと比べて焦ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、赤ちゃんの成長は早ければ早いほどいいというわけではなく、その子なりの脳や筋肉の発達の順序があり、それに伴って順番に現象が表れているに過ぎずません。

気になってしまうママの気持ちも理解できますが、他の子と比べたり焦ったりしてもいいことは何もありません。

できないことを急いでさせようと無理をすると、次にできるはずだったことを飛ばしてしまうなど、かえってその子の発達にとってはよくない影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。

もし比べるなら、昨日のわが子、一週間前のわが子を思い出してみれば、ゆっくりでも少しずつ成長していることが感じられるはずです。

それでも、もしあまりにも成長に不安があるようなら健診などで相談してみましょう。

何か気になっていることの理由が見つかるかもしれません。

大切なのは、ママが安心して赤ちゃんとの時間を過ごせることです。

赤ちゃんのペースを見守りながら、おおらかな気持ちでサポートしてあげましょう。



著者:川原 恵

保育士、幼稚園教諭2種免許
フラワーアレンジメントディプロマ取得

同志社大学卒業後、某大学附属校で7年間勤務。
幼稚園教諭として勤務経験(担任経験)あり。
フルタイム勤務をしながら通信制大学において資格を取得。
子どもと一緒に楽しむことが好きな、三児の母。育児中の経験を活かしフリーライターとして活動しています。